タマル王(左)とその父ギオルギ3世(右)、ヴァルジアの教会壁画(12世紀)

歴史



概要


紀元前、西グルジアにコルキス王国、東グルジアにイベリア王国が栄える。隣国ローマ帝国やササン朝ペルシアの侵攻を受けながら、4世紀に世界で2番目のキリスト教国家になる。その後も、隣国からの侵略に抵抗しながら、11世紀頃からグルジア統一が始まる。12世紀には、タマル王の支配下、グルジアは現トルコ北東部、アルメニア、アゼルバイジャンの一部まで領土を広げ、グルジア最盛期を迎える。14世紀には、モンゴルの侵攻により国力が弱まり、グルジアは3つの王国と5つの公国に分裂する。その後、オスマン帝国やサヴァヴィー王朝の属国になり、19世紀初頭には南下してきたロシア帝国によって併合される。1921年にはソビエト連邦の一部になり、ソビエト崩壊後、1991年に独立する。


  西グルジア 東グルジア
紀元前6世紀 コルキス(エグリス)王国、繁栄  
紀元前4世紀   イベリア(カルトリ)王国、繁栄
紀元前1世紀 コルキス王国、ローマ帝国の属州に イベリア王国、ローマ帝国の属国に
2世紀前半   イベリア王国、ササン朝ペルシアの属国に
298   イベリア王国、ローマ帝国支配下に
4世紀 コルキス王国の一部にラズィカ王国建国(現アブハジア地域)  
387   ローマ帝国がササン朝との戦いに敗れ、イベリア、再びササン朝の属国に
395 ローマ帝国が東西分裂し、コルキスは東ローマ帝国治下に  
562 ラズィカ王国、ビザンティン帝国と併合  
570-580   ササン朝によって首都トビリシ没落
627   ビザンティン軍とハザール軍によってトビリシ没落
645   イベリア王国、再びササン朝支配下に
736-738   トビリシ、アラブ軍によって侵略、アラブ支配下に
764   トビリシ、ハザール軍によって侵略
9世紀 ラジカ王国がアブハジア王国として独立  
853-1050   イベリア王国、再びアラブ支配下に
881   イベリア王国、アラブに抵抗
1008 バグラト3世がカへティ地方を除く全グルジアを統一
1060年代 セルジューク朝が侵入
12世紀 王タマル時代にグルジア王国朝最盛期をむかえる南コーカサス全域を領有
1220- モンゴル軍による侵略、モンゴルの属国に
1260年- 黒海(アブハジア沿岸の町)にジェノア(現イタリア)の船が出入りし、商館がおかれる  
1320年代 モンゴル軍が撤退
1386   トビリシ、ティムールの侵略
1444   トビリシ、ペルシア軍によって侵略
15世紀末- グルジアは3つの王国、5つの公国に分裂
  西グルジアはオスマン帝国の属国に 東グルジアはサヴァヴィー王朝の属国に
1722   アフガン軍によって、サファヴィー朝滅亡
1795   トビリシ、アフシャル朝によって没落
1801   ロシア帝国、東グルジアを併合
1803-1810 ロシア帝国、西グルジアを併合  
1878 アジャリア地方を含む全グルジアがロシアに併合
1918-1921 グルジア民主主義共和国
1922 ソヴィエト連邦に加盟
1991 グルジア独立宣言